2012年5月3日木曜日

情報機構:講師コラム


講師コラム:林 治久 先生

臨床開発モニターとコミュニケーションスキル


コラムへのご意見、ご感想がありましたら、こちらまでお願いします。

はじめに
 臨床開発モニターとは、治験を実施する際に、治験を依頼する企業と治験を実施する医師、病院担当者及び治験に係るその他の施設の担当者との情報交換の主役を務める役割を果たします。
 治験を成功に導く為には、モニターは専門的な知識を有していることはもとより、治験に係る人とのコミュニケーションを円滑に図ることが重要です。
 モニターに対する専門的知識のための教育研修法は、ほぼ確立されているといって良いと思いますが、コミュニケーションスキルの向上に関しては十分な教育研修がなされているとは言い難い状況だと思います。
 本コラムでは、モニターに必要なコミュニケーションスキルについて考えてみたいと思います。

以下のような内容で話を進めたいと思います。

  1. モニターの役割と業務
  2. モニター研修制度
  3. 成果の出せないモニター
  4. 治験の実施体制とモニターのコンタクト・パーソン
  5. モニター業務に必要なヒューマンスキル
  6. コミュニケーションスキルの基礎(1)コミュニケーションの基本、聴くスキル
  7. コミュニケーションスキルの基礎(2)話すスキル
  8. コミュニケーションスキルの基礎(3)メラビアンの法則、ジョハリの窓、自他の性格分析
  9. コミュニケーションスキルの基礎(4)意思の伝え方;アサーション
  10. 治験開始時に必要なコミュニケーションスキル
  11. 治験実施中に必要なコミュニケーションスキル
  12. コミュニケーションスキルアップのための基礎演習
  13. モニタリングの予行演習・ロールプレイ
  14. おわりに


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第1回 [ モニターの役割と業務 ](2009/9/8)

 治験を実施する時は、モニターは、実施医療機関及び治験責任医師を選定して治験契約を締結し、治験が開始されると治験が適正に行われているかを確認すると共に、医師が記載した患者さんに関するデータに誤りがないかどうかを調査する重要な役割を果たします。
 モニターが行うこれらの調査をモニタリングと呼びます。これは、「医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令」(GCP省令と呼ばれる厚生労働省令)に、「治験が適正に行われることを確保する為、治験の進捗状況、並びに治験がGCP省令及び治験実施計画書に従って行われているかどうかについて、治験依頼者(依頼企業)が実施医療機関に対して行う調査をいう。」と、規定されています。

 もう少し詳しく説明しますと、新たに開発する薬(被験薬)の治験を行うには、治験を実施してもらう医療機関と治験責任医師を選定する必要が有ります。その薬の治療対象となる病気の専門家で、治験の経験豊かな医師を調査し、この治験に参加していただけるかどうかお願いします。また同時に、病院の治験事務局を訪問して� �その病院で治験を行う為の施設、スタッフ、体制等が整っているか調査します。
 治験中にその施設で何らかの問題が発生した場合は、治験依頼者(モニター)による医師又は病院の選定が不適切であったという指摘を受けてしまいます。

   治験責任医師及び治験事務局から治験の参加の内諾が得られると、その病院で治験を実施することの可否について、治験審査委員会で審査をしてもらいます。モニターは、治験事務局と相談の上、委員会の審査に必要な資料を整えて病院に搬入します。治験審査委員会で承認されると治験実施が可能となり、病院と治験契約を結びます。

 治験が開始されると、治験に参加頂いた患者さんが、確かに治験実施計画書に規定された条件に合致しているか、また、決められた方法によって手続が取られているか等、適宜、調査をします。そして、この施設での治験が、すべてGCP省令や計画書に従って行われているかどうかを調査し、これに従っていないことを確認した場合には直ちに治験責任医師に告げる必要が有ります。

 治験� �おいて得られたすべてのデータは、カルテなどの原資料と呼ばれる資料と矛盾がないかどうか、モニターが照合して確認をします。また、治験中に副作用が発生したときには、詳細な調査を治験責任医師に依頼し、必要に応じて、厚生労働省や他の治験実施医療機関に報告しなくてはなりません。

 以上のように、モニターは多岐にわたる業務を行う必要があり、被験薬、治験の対象となる病気、その治療法、臨床検査、カルテの読み方はもとより、法律(薬事法、厚生労働省令)など幅広い専門知識が必要となります。
 モニターになる人は、通常、薬剤師、臨床検査技師、看護師などの資格を有する人やその他分野の専門家が、約3ヶ月に亘るモニター導入研修を受け、更に、実務教育、継続教育等を受けて、実務に就くことになります。

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第2回 [ モニター研修制度 ](2009/9/24)

2. モニター研修制度
 前回お話しましたように、モニターは、被験薬、治験の対象となる病気、その治療法、臨床検査、カルテの読み方はもとより、法律(薬事法、厚生労働省令)など幅広い専門知識が必要となります。
 市販されている医薬品の情報を医療関係者に伝達・収集するMR(Medical Representative: 医薬情報担当者)に関しては、第三者機関による資格認定制度があります。しかし、現時点では治験を行うモニターの資格制度はありません。将来的にはモニターに関してもこのような資格制度が出来るのではないかと思われます。
 一方、医薬品メーカーから臨床試験に係る業務を受託して代行・支援する受託試験機関(CRO:Contract Research Organization)の業界団体である日本CRO協会においては、モニター認定試験制度が施行されております。導入教育研修を修了(修了試験に合格)し、その後の継続教育を修了して、認定試験に合格したモニターには、日本CRO協会認定モニターの資格が付与されます。但し、これは、日本CRO協会に所属しているCROのモニターに限られた制度です。
 今回は、モニターはどのような専門知識が必要か、また、どのような研修を受けているのかについて、概略をお示ししたいと思います。かなり専門的な内容になってしまいますので、退屈な方は途中飛ばして読んでください。

2.1 モニターの必要な専門知識
 具体的にどのような専門知識が必要なのか概略を示します。
  1)医薬品開発概論:医薬品開発の流れ他
  2)治験概論:治験の流れ他
  3)薬事法及び関連法規
  4)GCP省令各条
  5)業務手順書(SOP)
  6)治験関連事項
  7)治験に係る文書又は記録
  8)治験の依頼等に係る統一書式
  9)モニタリングの実際
  10)安全性情報の取扱い
  11)承認申請関係
  12)医学・薬学の基礎

2.2 モニターの教育研修制度
 通常、モニター業務に就くためには、まず、導入教育研修を受けます。モニター候補者は、薬剤師、看護師、臨床検査技師など医療関係の経験者や、医薬品に関わる研究者などの方が多くみられます。導入研修においては、座学、実習などの基礎教育を受けた後、実地研修・模擬研修を受け、研修期間としては約3ヶ月、時間数としては200から300時間の研修を受けます。
 その後、先輩のモニターについて、治験実施医療機関を訪問し、OJT(On the job training)を受け、一定のレベルに達した段階で、はじめて一人前のモニターとして独り立ちします。その後も、科学の進歩、法律の改正、新しいプロジェクトの為の知識の吸収、その他新しい情報の収集の為、年間40時間以上の継続研修を受けます。
 これらの研修結果に関しては、すべて教育記録として保存することが義務化されており、規制当局の立ち入りによるGCP調査の際にチェックされます。

2.3 導入研修の内容
モニター導入研修で行われる研修カリキュラムを以下に記載します。
 1)一般知識
  ・医薬品産業と医薬品開発
  ・医薬品の研究・開発プロセス:開発期間、成功率
  ・研究開発プロセスと法規制
  ・申請する医薬品の分類と申請に必要な資料
  ・ビジネスス・マナー
  ・コミュニケーション・スキル
  ・守秘義務:個人情報保護法他

 2)治験に関する倫理
  ・ヘルシンキ宣言
  ・臨床試験と倫理
  ・インフォームド・コンセント
  ・被験者に対する補償
  ・公務員の倫理規定
  ・公協規(医療用医薬品製造販売業公正取引協議会)
  ・プライバシーの保護

 3)薬事法と関連法規
  ・薬事法の概要と構成:法律、政令、省令、通知
  ・ICH-GCPと省令GCP
  ・運用GCP、答申GCP
  ・GCP省令 第1章から第6章まで(第1条〜第59条)

 4)医薬品開発の流れ
  ・非臨床試験: 規格及び試験方法、安定性、薬理作用、ADME、毒性
  ・臨床試験(治験):臨床薬理試験、探索的試験(用量反応試験)、検証的試験
  ・申請から承認までのプロセス
  ・当局の調査:GLP、GMP、GCP、信頼性調査
  ・市販直後調査
  ・使用成績調査
  ・製造販売後臨床試験

 5)治験の体制
  ・実施医療機関(治験責任・分担医師、CRC、治験薬管理者、治験事務局)
  ・治験審査委員会(事務局)
  ・SMO
  ・被験者
  ・治験依頼者
  ・CRO

 6)治験依頼者の組織体制
  ・社内治験委員会
  ・治験担当責任者(GL)・モニター
  ・品質管理(QC)
  ・データ・マネジメント(DM)
  ・統計解析
  ・治験薬管理責任者
  ・記録保存責任者
  ・監査

 7)治験の流れ
  ・治験のフロー
  ・治験開始前(施設の調査・選定〜治験計画届)
  ・治験開始前(治験審査委員会〜治験契約・治験薬搬入)
  ・治験実施(被験者の選定〜投与終了)
  ・治験終了(症例報告書入手から治験終了届)
  ・症例検討会及び症例・データ固定
  ・キー・オープン
  ・統計解析報告書の作成
  ・治験総括報告書の作成

 8)治験に係る文書
  ・治験薬概要書
  ・治験実施計画書・症例報告書
  ・同意文書・説明文書
  ・標準業務手順書
  ・治験に係る文書又は記録
  ・治験総括報告書

 9)治験に係るその他の事項
  ・賠償責任と補償責任
  ・治験に対する補償の処置
  ・保険外併用療養費
  ・負担軽減費

 10)モニタリング業務
  ・治験責任医師の選定
  ・施設の選定
  ・依頼/契約手続
  ・治験開始準備
  ・治験中の実施業務
  ・安全性情報の取扱い
  ・SDV
  ・モニタリング報告書の作成

 11)安全性情報の取扱い
  ・有害事象と副作用
  ・重篤と非重篤
  ・予測性の判断基準(未知と既知)
  ・因果関係
  ・MedDRA
  ・規制当局への報告及び報告期限
  ・実施医療機関への伝達
  ・報告すべき安全性情報
  ・定期報告(集積報告)

 12)医学・薬学の基礎
  ・循環器系
  ・呼吸器系
  ・代謝内分泌系
  ・体液・血液
  ・免疫
  ・臨床検査
  ・その他

 以上、専門的な内容ばかりで退屈されたかと思いますが、モニターは、最低これだけの専門知識を必要とします。
 そして、これだけ多岐にわたる専門知識が必要であるため、ヒューマンスキル・コミュニケーションスキルに関する研修は、上記の1)一般知識の中の一コマしかなく、時間にして2,3時間程度、多くて5時間位でしょう。
 モニターが、治験責任医師、治験事務局、治験協力者等と十分なコミュニケーションをはかるためには、余りにも研修時間が少ないと思います。
 いよいよ、次回から、モニターにとってヒューマンスキルが如何に大切であるかのお話に移っていきたいと思います。

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第3回 [ 成果の出せないモニター ](2009/10/6)


コミュニケーションスキルのリーダーシップの記事

3. 成果の出せないモニター
 第1回目に書きましたように、臨床開発モニターは、治験を依頼する企業と治験を実施する医師、病院担当者等との情報交換の主役を務める役割です。治験のスタート段階では、予め、治験を依頼する病院、及び医師(治験責任医師と呼びます。)に関する調査を行います。そして、経験や施設・設備・人員などから適切であると思われる病院の治験事務局及び治験責任医師に面談を申し込み、面談において治験の概要を説明するともに、実施医療機関及び治験責任医師としての適格性についてマニュアルに従って調査を行います。治験に加わっていただく患者さんの数が確保される見込みがあり、特段の問題がない場合には、治験の実施を依頼することになります。

 ところが、面談で治験責任医師を怒らせて追い返されてし� ��い、治験の依頼どころではなく、更に、現在使っていただいている医薬品の販売にまで悪影響を与えてしまうようなモニターがたまにいます。このようなモニターは、1回だけではなく、他の病院でも似たような問題を起こしており、本人は怒らせるようなことを言った覚えはないと、全く自覚がありません。このような問題を起こされると、治験グループリーダーはすぐに医師に謝りに行き、担当のモニターを代えることが余儀なくされます。

 また、治験の開始時及び実施中には、病院で医師のサポートをする治験協力者(CRCと呼ばれ、看護師、臨床検査技師などが多く従事しています。)の協力が不可欠ですが、この治験協力者とうまくコミュニケーションがとれず、人間関係がギクシャクしたり、仕事がスムーズに進まないな どの問題を起こすモニターもいます。表1に書いたようなトラブルメーカーのモニターが時々見受けられます。

 

 これでは、いくら専門的知識(テクニカル・スキル)を持っていても、モニターとしての役割を果たすことは出来ません。ヒューマン・スキルが不足しているのです。

 第2回に書きましたように、モニター研修においてはテクニカル・スキルに関する内容がほとんどで、ヒューマン・スキルに関する時間は極わずかです。
 ヒューマン・スキルに関しては、表2に書いたような種々のスキルがあり、モニターとしては全てのスキルが必要になりますが、前述のようなトラブルの原因はほとんどがコミュニケーション・スキルの問題でしょう。
 次回からは、治験の実施体制とモニターのコンタクト・パーソンについて説明し、モニターの具体的な業務に沿ってどのようなヒューマン・スキルが必要になるかについて説明をしていきます。

 

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第4回 [ 治験の実施体制とモニターのコンタクト・パーソン ](2009/10/20)

4. 治験の実施体制とモニターのコンタクト・パーソン
4.1 治験の実施体制
 治験がどのように行われるかをご理解いただくために、治験の実施体制について説明します。図1に相関図を示しました。治験を行う医薬品メーカー等を治験依頼者と言います。その最高責任者は社長になりますが、治験依頼者の中に具体的に治験を進めるモニターがおり、データを取り扱うデータマネージメント(DM)、治験の品質を管理する品質管理担当者(QC)、統計解析を行う統計解析担当者などの組織があります。
 治験を実際に行う病院を治験実施医療機関といい、ここには医療機関の長(通常は院長)、治験分担医師、治験協力者(CRC)、治験の事務的な手続き等をする治験事務局、治験薬を病院内で管理する治験薬管理者がいます。
 これまでは、医療機関の中に治験審査委員会がありましたが、平成20年のGCP省令改正により、医療機関の中に置く必要はなくなり、外部の治験審査委員会に依頼することも可能になりました。
 また、実際に治験に参加してもらう患者さんを被験者と言います。

 

 一方、治験の概要が決まると、規制当局である厚生労働省(MHLW)に治験届書を提出します。実際には医薬品医療機器総合機構(PMDA)経由で提出します。
 そして、治験の一部又は全部の業務を委託する場合には、受託試験機関(CRO)に委託します。また、治験で行う臨床検査などを集中して1つの検査機関に委託するような場合には、専門の臨床検査受託機関に委託をします。
 治験を実施するには、概略以上の施設・機関等が関係します。

4.2 モニターが関係する人たち(コンタクト・パーソン)
 上記のような治験実地体制において、モニターが実際にコンタクトしてコミュニケーションを図る必要のある人を抜き出すと、図2のようになります。

 次回から、具体的にモニターが実施する業務内容に沿って、必要となるヒューマンスキルについて説明を加えていきます。

 

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第5回 [ モニター業務に必要なヒューマンスキル ](2009/11/4)

5.モニター業務に必要なヒューマンスキル
 治験の流れに沿って、モニターの業務を解説し、その際に必要となるヒューマンスキルを説明していきたいと思います。ヒューマンスキルの種類に関しては、第3回目の表2を参照ください。

5.1 治験の実施医療機関及び治験責任医師の選定
 まず、治験を依頼する会社の社内において、どのような治験を行うかを決め治験実施計画書を作成します。そして、この治験を実施してもらえそうな実施医療機関(病院)及び治験責任医師をリストアップします。治験に参加してもらう患者さんが多く、治験を実施した経験の豊富な施設及び医師を選ぶことが大切です。また、医師が忙しすぎて治験の業務を行う時間の取りにくい医師は避けたほうが無難です。
 治験の概要を説明する資料を作成して、リストアップされた施設の治験事務局と治験責任医師を訪問し、治験を行う新しいお薬(被験薬)と治験の概要を説明します。
 治験責任医師の場合は、相手は1人、治験事務局の場合は1人あるいは数人の人たちに説明することになります。ここでは、プレゼンテーションスキルが必要になります。
 許される時間の中で説明をして質疑応答をすることになります。その為の分かりやすい資料作りがポイントになります。質問があった場合には、質問の意味を十分に理解した上で、簡潔に分かりやすい回答をする必要があります。ここでは、コミュニケーションスキルが必要になります。
 更に、この医療機関には、治験を行うための設備、スタッフなどの要件が整っているか、他の治験がどのくらい実施されているか、また、治験責任医師に関しては、どのくらいの治験経験があるか、患者さんは何人くらいいるか、治験を行う期間中に何人の患者さんを登録してもらえるかなどについて調査をする必要があります。ここでは、インタビュースキルが必要になります。
 そして、特段の問題がなければ、いよいよその治験責任医師に治験をお願いすることになりますが、他の会社でも同じような患者さんを対象に治験を行っている場合もあります。その場合には、患者さんの取り合いになることもあります。会社で計画している治験期間内に、5人とか10人の患者さんを登録してもらい、なるべく早く治験を進める必要があります。なるべくこの治験がスムーズに進むように、治験責任医師にお願いする必要があります。ここでは、ネゴシエーションスキルが必要になります。
 治験の規模によって変わりますが、一つの治験で5人から10数人いるモニターを束ねる治験グループリーダーには、リーダーシップと社内検討会でのファシリテーションスキルが必要になります。第3回に書きましたヒューマンスキルの全てが必要となります。

5.2  治験審査委員会対応と治験契約の締結
 治験実施医療機関と治験責任医師の選定が終わると、いよいよ治験審査委員会で、治験実施の可否についての審査を受けます。前にも書いたように、平成20年の改正GCP省令により、治験審査委員会は実施医療機関の中に設置されている必要はなくなりました。
 モニターは、治験審査委員会の審査に必要な11項目に及ぶ資料(治験実施計画書(案)、治験薬概要書、患者への説明文書(案)など)について、治験事務局と資料内容を討議・検討し、審査用資料のファイルを作成して20〜30部ほど搬入します。
 治験審査委員会で、治験計画の変更又は資料の修正を求められた場合には、治験事務局と相談しながら変更を行います。
 治験審査委員会で承認されると、実施医療機関の長から実施についての指示・決定通知書を受領して、いよいよ、治験契約書を締結することができる段階になります。そして、治験契約書の案文を治験事務局と討議します。会社によっては、契約の条文について、法務部の承認が必要な場合があり、治験事務局と会社の法務部の意見を取り入れながら契約書の案文について折衝することになります。
 この段階で、モニターが必要となるヒューマンスキルは、コミュニケーションスキルネゴシエーションスキルです。

5.3 治験の開始
 治験契約が締結されると、実施医療機関の薬剤部に治験薬の搬入が出来るようになり、いよいよ治験が実施できる段階になります。
 治験を開始するに当たって、この被験薬がどのような特徴を持つ薬剤なのか、どのような患者さんに治験に参加してもらうのか、どのように薬を飲んでもらい、いつどのような検査・観察などをするのか等などについて、事細かに、医療機関の関係者に説明をして、理解をしてもらう必要があります。
 ここで必要なヒューマンスキルは、プレゼンテーションスキル、質疑応答などで的確な説明・回答が出来るためのコミュニケーションスキルです。

5.4 治験の実施(不遵守の確認、安全性情報の収集、症例登録促進のお願い)
 各病院で1例目の患者さんが登録されて治験が開始されると、モニターは、治験計画やGCP省令に従って治験が行われているか、確認(モニタリング)することが、重要な責務になります。もし、登録条件に合致していない患者さんを登録していたり、検査する項目が抜けていたりしたら大変なことです。頻繁に実施施設を訪問し、カルテや関連する記録類を確認したり、治験医師やCRCに面談をします。そして、治験計画やGCP省令に違反するようなことを見つけた場合には直ちに治験責任医師にその内容を報告し、善処を依頼します。
 また、治験中に患者さんにとって好ましくないこと(有害事象)が起きた場合には、直ちにその情報を治験責任医師から入手し、更に詳細な調査を依頼して、必要な場合には、厚生労働省や治験を実施している他の医療機関に報告をする必要があります。
 治験中にモニターが頭を悩ませることは、患者さんがなかなか登録されないことです。最初の目論見では、半年の間に、10人の患者さんがたやすく登録できると言われていても、なかなか予定通り患者さんが集まらないのが日本の現状です。患者さんの登録が遅れると、治験全体の期間が延びてしまったり、新たな病院を追加せざるを得なくなります。そこで、何とか予定の期間内に患者さんが登録されるように、治験責任医師・分担医師、CRCにお願いをすることになります。
 ここでは、コミュニケーションスキルネゴシエーションスキルが必要となります。

5.5 SDV(原資料との照合・検証)と症例報告書の回収
 治験中の患者さんの記録は、基本的にはカルテに書かれますが、治験に係る内容については、症例報告書に転記をしてもらう必要あります。カルテに書かれたもとのデータ(生データといいます)と、症例報告書に書かれた内容が間違っていたり、矛盾していると大変な問題になります。そこで、モニターは、直接閲覧といって、実施医療機関を訪問して、カルテをはじめ関連する記録や書類と症例報告書を照合し、矛盾する点を見つけた場合には、確認と訂正を依頼します。当局によるGCP調査において、矛盾点が見つかると、モニタリングが不十分であると、モニターがお叱りを受けることになります。
 そして、症例報告書の内容に問題がないことを確認した段階で、症例報告書を回収し、その医療機関での全ての治験業務が終了すると、実施医療機関の長から治験の終了通知書を入手します。
 ここでも、コミュニケーションスキルネゴシエーションスキルが必要となるでしょう。

 以上、治験の開始から終了までにモニターが行うべき業務を概説し、その中でモニターが必要とするヒューマンスキルについて説明をしました。非常に多岐にわたるヒューマンスキルが必要であることをご理解いただけたと思います。


ATSシーダーフォールズ

 次回からは、コミュニケーションスキルの基礎について、説明をしていきたいと思います。

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第6回 [ コミュニケーションスキルの基礎(1)コミュニケーションの基本、聴くスキル ](2009/11/17)

 前回まで、臨床開発モニターの役割及び業務に関してどのようなヒューマンスキルが必要であるかについて説明してきました。これからは、ヒューマンスキルのうちで最も重要となるコミュニケーションスキルをどのように磨いていったらよいかについて説明をしていきたいと思います。

6.1 コミュニケーションの基本
 コミュニケーションの基本は、聴くこと話すことです。簡単なことのように思われますが、これが意外に難しいのです。会話が成立するということは、「相手の言うことを正しく理解し自分の言いたいことを分りやすく伝える」ことです。
 「相手の言っていることはたぶんこうだろう。」と、一人合点していませんか?「自分はちゃんと言ったのだから、相手はわかっただろう。」と思っていたら、相手は別な待ち合わせ場所で待っていたり、時間が間違っていたりしたことはありませんか?相手の言ったことを正しく理解し、相手に分りやすく伝えることは案外難しいことなのです。

6.2 聴くスキル
 「きく」には、3つあることをご存知でしょうか。その3つを表3に示しました。

 

 コミュニケーションには2番目の聴く(Listen)が大切なのです。その理由は、表に書いてあるとおりです。

 では、正しく聴くにはどのようにしたら良いでしょうか。そのコツを表4に示しました。

 

 相手の言うことを漫然と聞いているのではなく、相手が何を伝えようとしているのかを考えながら聴くことが大切です。2番目に書かれた聴く態度とはどのような態度なのか表5に示しました。
 

 内緒の話をする時は、相手の人に近づいて耳元で話したりしますが、はじめて話をする人とはこんなに近づいて話はしません。仕事の話を少人数で話す時は、机を挟んだ程度の2,3m位の距離が良いと思われます。余り相手との距離が遠くてもお互いの表情が見難くなり、円滑なコミュニケーションにはマイナスです。大きな部屋で話をする時は、机を寄せて適度な距離となる様に心がけましょう。
 相手の目を見ながら話すことは重要ですが、余り見すぎては相手に変な感情をもたれてしまうことが有ります。そこで相手の目を適度に見ることが大切です。
 自分の表情を相手の表情に合わせるということは、相手の話に共感しながら聴くということです。これは、相手の人が話しやすい状況を作ることにもなり、極めて重要です。
 特に重要な内容の話の場合には、自分の解釈が正しいか相手に確認することが大切だと思います。時には、自分が間違って聴いている、或いは解釈している場合が有ります。相手の話を簡単に要約して自分の解釈を述べ、それが正しいかどうかを確認してください。
 このように、コミュニケーションでは、相手の話を聴いて正しく理解することが最も大切だといえます。誤解の始まりは、この「聴くこと」が出来ていないことから始まります。相手の話を途中までしか聞かず、遮って自分から話をしだすような人は問題外です。

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第7回 [ コミュニケーションスキルの基礎(2)話すスキル ](2009/12/1)

 前回、コミュニケーションの基本は聴くこと話すことであり、とりわけ聴くことが大切であることをお話しました。今回はもう一つの基本である話すことに焦点を当てたいと思います。

7.1 話すスキル −分りやすい話し方−
 話をする目的は、相手に分ってもらうことです。これを勘違いして、一方的に話しまくる人がいますが、全く時間の無駄です。では、相手に分ってもらう様に話すにはどうしたらよいでしょうか。話すスキルを表6に示しました。

 

 どのような相手に話をするのかを十分把握して、相手に合わせた話の内容、及び話し方をすることが大切です。自分の都合だけで、自分のやりやすい方法で話をする人がいますが、これでは相手は聞いてくれません。例え聞いてもらえても、理解してもらうことができません。相手が医師であれば、対象疾患やその疾患の治療法の説明を詳しく説明しても意味がありません。一方、治験を依頼する被験薬の特性、作用機作、これまでのデータ等を分りやすく説明することが必要です。しかし、全診療科を担当している治験協力者(CRC)には、対象疾患やその疾患の治療法、その中での被験薬の位置づけ等を説明することが必要になります。つまり、話す相手を十分に把握すること、即ち、聴衆分析がまず大切です。
 話の進め方については、どのような順序で話をしたら相手にとって話が理解しやすいかを考え、話の段取りをします。まず、話す内容の全体像を先に知らせると、聞き手は、これからどのような内容のことが話されるのか分り、聴く心構えが出来ます。要点・結論を先に話すというのも同じことです。
 話の内容はなるべく具体的にしましょう。遠まわしの表現は誤解のもとになります。具体例なども織り交ぜて話すとより理解をする助けになります。
 話の速度はとかく早過ぎてしまうことが有りますが、相手の理解度に合わせてなるべくゆっくりと話すのが良いと思います。立て板に水とよく言われますが、一本調子で緩急がないと相手の耳を素通りしてしまい、何も印象・記憶が残らないことになります。そして、「間」を上手に使うと、話題の転換の時や、特に大切な部分を強調する時にも有効であり、「間を」取る練習も必要だと思います。
 そして、相手に時間を取ってもらい話を聞いてもらうときは、十分に準備し練習をして、如何に決められた時間の中で、こちらの言いたいことを相手に理解してもらい、内容によっては、こちらの意に沿った回答が貰えるようにすることが重要です。

7.2 話の構成法
 はじめに話の段取りをすることが重要だと言いましたが、話の構成法のポイントを表7に示します。

 

 話を聴いている時、センテンスが長いと、聞いているうちに前のことを忘れてしまい、どのような主旨だったのか分らなくなってしまいます。ですから、センテンスはなるべく短くして、簡潔に言いたいことを明確に話すことが大切です。
 誰が、何をしたのか、主語と述語を明確に伝えることが誤解をさせない重要ポイントです。そして、文頭では肯定した内容のセンテンスだと思って聞いていると、文末で否定する内容のことになっていて、あれあれと思うことが有りますが、これは聞き手を混乱させるもとです。主語と述語のねじれがないように気をつけましょう。
 6番目に書いてある事実と意見・推測を混ぜこぜにして話さないことが重要です。特に、サイエンスでは、エビデンスが重要であり、これを明確にした上で、「以下は私の意見ですが、・・・」、「以下は推測ですが、・・・・」と言って、事実とは明確に分けて話すべきです。
 また、話し手である自分と聞き手との理解のギャップが有ることを意識して話の構成を考えるべきです。例えば、前にも書きましたが、医師は治験を行う疾患の治療方法の現状は良く知っています。しかし、治験を行う被験薬については、はじめて聴く話です。自分や会社の同僚は何年もその薬の開発に携わっており、何でも知っているかも知れませんが、聞き手の先生はその被験薬については始めてですから、懇切丁寧にその被験薬の作用メカニズムや薬効・毒性等を分りやすく説明し、相手の理解度に応じて説明の内容を変えていく必要が有ります。

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第8回 [ コミュニケーションスキルの基礎(3) ](2009/12/15)

 前回までに、コミュニケーションの基本である「聴くこと」と「話すこと」の説明をしました。今回は、コミュニケーションスキルにおいてよく引用される法則等をご紹介します。

(1)メラビアンの法則
 これは、アメリカの心理学者アルバート・メラビアンが1971年に提唱した法則です。この法則は、表8に示したように、コミュニケーションにおいて、相手に与える影響・印象は、外見、態度、表情などの視覚情報がもっとも大きく(55%)、話し方、声などの聴覚情報が次(38%)で、話の内容など言語情報がもっとも小さい(7%)というものです。「言語情報=Verbal」「聴覚情報=Vocal」「視覚情報=Visual」の頭文字を取って「3Vの法則」ともいわれています。

 メラビアンが実際に行った実験は、言語、聴覚、視覚の3つの情報について、矛盾する情報が与えられた時の受け手に与える影響を検討したもので、一般的なコミュニケーションにそのまま当てはめても良いのかと言う論議が有りますが、言語情報の他に、視� �情報、聴覚情報を十分に意識する必要があるということは重要なことだと思われます。
 即ち、自分の意思を相手に正しく理解させ、印象に残るように話をするには、どのようなことを伝えるのかという話の内容だけではなく、声の高さ・明るさ、話す速度、間等を意識するとともに、話をする姿勢、態度、目配り、表情、服装などにも気を配る必要が有るということです。


破産の意味は何ですか?
 

(2)ジョハリの窓
 ジョハリの窓とは、米国の心理学者ジョセフ・ルフト (Joseph Luft) とハリー・インガム (Harry Ingham) が発表した「対人関係における気づきのグラフモデル」のことです。
 ここでは、表9に示したように、自己を4つの窓に分けて、「公開された自己 」(open self)、「隠された自己」(hidden self)、「自分は気がついていないものの、他人からは見られている自己 」(blind self)、及び「誰からもまだ知られていない自己 」(unknown self) の4つの自己があるとしています。
 開放の窓(領域)についての話をする場合には、自分自身も他人(相手)も知っていることなので、お互いに隠しだてをする必要がなく、自由でオープンなコミュニケーションをとることができます。秘密の窓(領域)の場合には、自分自身は知っているが他人(相手)は知らないことなので、こちらの話を相手が理解できないことがでてきます。盲点の窓(領域)の場合は、自分では知らないことなので、周囲の人が知らせてくれない限り自分は気づきません。相手が率直にその点を指摘してくれ、自分自身はその話を素直に受け止める関係が必要です。未知の窓(領域)の場合は、自分自身も相手も知らないことであり、無意識の行動傾向や考え方などが含まれます。
 良い関係の人とは、お互いに思ったことを言い合える、オープンなコミュニケーションができます。そうでなく、お互い盲点の窓、秘密の窓の大きい人とは思ったことが言えない、一方的、遠慮がちなコミュニケーションになります。従って、秘密の窓を小さくして自己開示を進め、盲点の窓を小さくして自己認識を拡大して、開放の窓を大きくすることによって、より円滑なコミュニケーションが可能になります。
 

(3)コミュニケーションの4つのタイプ
 これは、前に書いた法則のようなものではありませんが、コミュニケーション講座などでよく使われる表です。円滑なコミュニケーションをする上で、相手がどのようなタイプの人であるかを知ることは極めて重要です。表10では、「自己主張の強弱」と「感情表出の高低」の2つの特性を選び、4つのタイプに分けています。
 

 自己主張が強くて、感情表出の低い人は、コントローラー(支配的)タイプで、自分の思い通りに物事を進め、他人のコントロールを嫌います。このようなタイプの人と話をするときは、相手の行動を支配しないように、相手の意見を尊重して話をするように注意する必要があります。
 自己主張が強くて、感情表出の高い人は、プロモーター(創造的)タイプで、周囲に影響を与えることを重視し、変化や混乱に強いタイプです。このタイプの人と話をする場合には、相手の意見・考えを積極的に捉え、相手に自由度を与えて新しいアイデアなどを引き出すようにしていくとよいでしょう。
 自己主張が弱く、感情表出の高い人は、サポーター(補助的)タイプで、周囲との調和・合意を重視し、自分では余り決断しないタイプです。このような人には、気持ちを率直に伝えて、こちらの考えに同調して貰えるように話を進めることが効果的であると思われます。
 自己主張が弱くて、感情表出の低い人は、アナライザー(分析的)タイプで、正確で客観的な性格であり、堅実で優れた仕事をするが変化には弱いタイプです。このような人には、理由や背景を具体的に説明し、相手のペースに合わせながら話を進めることがよいと思われます。
 以上、コミュニケーションを図る相手がどのようなタイプの人であるかを分析することは、聴衆分析の一部であり、意思疎通を円滑に行う上でも重要です。更に、自分はどのタイプであるのかを知っておくことも大切なことだと思います。

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第9回 [ コミュニケーションスキルの基礎(4) ](2010/1/12)

(1)意思の伝え方
 意思・考え方の伝え方には3通りあります。表11にあるように、自分だけ良ければよいという「攻撃的(アグレッシブ)」、自分より相手を優先する「非主張的(ノンアサーティブ)」、そのどちらでもなく自分も相手も尊重する「主張的(アサーティブ)」の3つです。
 常に攻撃的だったり、非主張的だったりする人もいますが、部下・後輩にはつい攻撃的なってしまう、逆に顧客や上司、年上に対しては非主張的になるという人もいます。しかし、それでは、良い人間関係、円滑なコミュニケーションを築くのは難しいでしょう。

 

 良い人間関係、円滑なコミュニケーションを築くためには、主張的(アサーティブ)な表現をする必要があります。自分の気持ちを正直に伝え、かつ相手にも配慮した言い方をすることが大切です。これは、最も相手が受け入れやすい伝え方であり、表12に示す方法です。自分の正直な気持ちを伝えるには、自分を主語にして話すのが良いでしょう。第三者を主語にした言い方は、他人事のように聞こえたり、責任を転嫁しているように聞こえたり、誤解される可能性が有ります。
 

(2)アサーティブな会話をする方法
 それでは、アサーティブな会話をするためにはどのようにすればよいでしょうか。具体的なポイントを説明しましょう。
 大切な話をする時には、予めの準備が必要です。表13に示すように、話す前に、自分の気持ち、主張を整理し、相手の気持ちを考えながら話の組み立てを考えます。その際には、前回のコミュニケーションの4つのタイプ(表10)を参考に、相手の特性、立場などを考慮に入れることが大切です。
 そして話をする時には、自分を主語にして肯定的な言葉を用いることが良いでしょう。そして、高圧的だと受け止められることのないように、お願いの表現を用いると効果的です。立場の違いから、相手と意見が対立することも有りますが、相手の状況、説明をよく傾聴して十分に理解したうえで、こちらの主張との接点(妥協点)を見つけ出すことも、時には必要になります。このような場合には、特に、アサーティブな会話が必要になります。
 

(3)ポジティブな表現
 前項で、肯定的な言葉を用いると書きましたが、会話をする際には、表14に示したようにポジティブな表現を用いることが大切です。否定的な後ろ向きの言葉は会話自体がネガティブになり、暗いイメージになりますが、肯定的な表現は明るい会話となり、更に会話が前向きに進みます。例えば、禁煙の部屋で煙草を吸っている人を見て、「この部屋では、煙草を吸わないで下さい。」とは言わずに、「煙草を吸う時には、1階にある喫煙室をお使い下さい。」と言うと、言われた人は、快く1階で喫煙をしてくれると思います。簡単なことですが、肯定的な表現によって、円滑なコミュニケーションがはかられるものと思われます。
 

 以上、4回にわたって、コミュニケーションの基礎について説明をしてきましたが、次回からは、臨床開発モニターが、実際にモニタリングをする場面に沿って、必要なコミュニケーションスキルについて、解説をしていきたいと思います。

次回のコラムは1/26にアップ予定です。
 
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第10回 [ 治験開始時に必要なコミュニケーションスキル ](2010/1/26)

 前回まで、コミュニケーションスキルの基礎として4回にわたり一般的な基本・法則について説明をしてきました。今回から、臨床開発モニターが実際に行うモニタリング手順に従って、必要となるコミュニケーションスキルについて詳述していきます。第5回の「モニター業務に必要なヒューマンスキル」で概説をしましたが、ここでは、掘り下げて説明をしていきます。

10.1 実施医療機関及び治験責任医師の調査・選定
 治験を実施する場合には、治験が円滑に実施できる医療機関(病院)と治験責任医師を選定する必要が有ります。まず、治験依頼者(医薬品メーカー等)は、事前調査を行い、候補となる医療機関と医師をリストアップします。そして、モニターが医療機関を訪問して治験事務局、医師と面談し、治験実施施設として適切かどうかを確認した上で、治験の実施の承諾を得なくてはなりません。具体的にどのようなことをするのか、表12に示しました。

 

 ご承知のように、医師は日常診療等で大変多忙であり、最初の面会時間は15分から20分程度が精々ではないでしょうか。この時間内で、これからやる治験の概要を説明して、質問に答えて、医師の承諾を得るには、10分間程度で説明できる資料を作る必要が有ります。新しい薬(被験薬)が患者さんの治療にどのように役立つのか、これまでの治療薬とどこが違うのか、どのような患者さんに治験に参加して欲しいのか、どのような方法で治験を行うのか等、情報提供する内容がたくさん有ります。要点を絞ってわかりやすく、初めて聞く医師の立場に立って資料を作成する必要が有ります。そして、これを相手の理解度に合わせながら説明するプレゼンテーションスキルが重要になります。 そして、説明中に出されるものも含め、質問に答えます。相手の質問をすばやく理解して、適確な回答をしなくてはなりません。質問の意味がわからない時は、聞き返す必要が有りますが、失礼のない言葉を選びましょう。相手の言っていることを正しく理解し、そして自分の言いたいことをわかりやすく伝える、即ち、コミュニケーションスキルの基本が必要ですね。
 次に、実施医療機関として適切であるか、依頼する治験責任医師として適切であるかを、モニターとして判断する必要があり、モニターが治験事務局又は医師にインタビューをします。インタビューは、表12に書いた内容のようなことを確認します。ここでのインタビューがその後の治験の進め方や、結果に大きく影響します。即ち、治験の経験の浅い医師はGCPや治験実施計画書からの逸脱が多かったり、登録基準に合致した被験者が少ないために、患者登録が進まないとかの問題が治験を開始した後で出てきます。適切な実施医療機関及び治験責任医師の選定が極めて重要であることが理解できると思います。
 良くないインタビューとはどんなものでしょうか。表13に示しました。
 

 インタビューで大切なことは、相手の頭の中で既に明確になっている(顕在化している)考えや要望だけではなく、潜在的な考え方や要望も含めて聞き出すことです。例えば、過去の治験でどのような問題があったとか、このようにすると円滑に治験が進むとか、医師の潜在的な考えを積極的に引き出していくことが重要です。表13に書いてあるようなインタビューにならないように注意が必要です。
 また、第8回で説明したように、相手のタイプを理解した上で、インタビューを進めていくと円滑なインタビューができると思います。

10.2 治験の依頼と治験契約の締結
 実施医療機関の及び治験責任医師の調査・選定が終わると、治験計画届を医薬品機構に提出し、特段の問題を指摘されなければ、治験内容について治験審査委員会(IRB)の審査を受けます。ここでは、治験事務局との折衝が頻繁に必要になります。IRB審査用資料内容の協議、また、IRBで指示された内容の確認、治験実施計画書や説明同意文書の変更等、多岐に亘ります。そして、これが終わると、いよいよ実施医療機関との契約になります。これまでの内容を表14に示しました。

 

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第11回 [ 治験実施中に必要なコミュニケーションスキル ](2010/2/9)

 治験実施医療機関及び治験責任医師の調査・選定が終わり、治験計画届の提出、治験審査委員会の審査を通過して治験契約の締結が終わると、いよいよ治験の実施の向けての業務が始まります。


11.1 スタートアップミーティング
 治験を実施する為には、医療機関では治験責任医師、治験分担医師、治験協力者(CRC)、治験事務局、治験薬管理者(薬剤部)の協力が不可欠です。これらの人に、治験の内容を十分に理解してもらわなければなりません。特に、被験者(患者さん)の選択・除外基準、治験のスケジュール(来院日等)、検査・観察項目、治験薬の投与方法・投与時期、治験薬の管理方法、症例報告書の記載内容・方法、特に注意すべき点等など、たくさんの内容を説明しなくてはなりません。そのために、最近はスタートアップミーティングと称して、上記の関係者に集まってもらい、1-2時間の説明会を行います。ここでは、色々な立場の人が参加していますので、参加者に分りやすい資料を作成して、これをもとに説明します。プレゼンテーション� ��キルが極めて大切です。一般的なプレゼンテーションスキルについて、表15に示しました。

 

 第8回で説明したメラビアンの法則で言われているように、態度、表情、服装などの外見(視覚情報)や、話し方、声の明るさ、抑揚など声(聴覚情報)が大切なことはご理解いただけたと思います。話の仕方に関しては、聴衆分析を十分にした上で、表15に書かれたような点に注意をして、話の組み立てをして下さい。何といっても、聞き手がどの程度理解をしているか確認しながら話を進めることが大切です。

11.2 治験実施中のモニタリング
 治験薬を実施医療機関に搬入し、被験者のスクリーニングが始まると、いよいよ治験が開始します。各施設で登録された初めての被験者については、タイムリーにモニタリングをすることが大切です。GCP上、あるいはプロトコール上の問題がないかどうか、最初の被験者で確認して、早い時期に手を打つことが必須です。
 治験実施中のモニタリングでは、表16のような業務が発生します。治験が進んできても、予測したように被験者が登録されないことが多く有ります。その場合は症例登録の促進を治験責任医師や治験協力者(CRC)に依頼することが必要になります。その場合の注意点を表に示しました。アサーティブな話法については、第9回を参照して下さい。

 

 また、治験中で最も注意を払わなければならないことは、重篤有害事象が発現した時の対応です。有害事象とは医薬品が投与された被験者に生じたあらゆる好ましくない医療上の出来事で、当該医薬品の投与との因果関係がないものも含まれます。被験者の安全を第一優先に対応する必要が有ります。治験責任医師から情報の収集を行い、内容を検討の上、必要に応じて規制当局(総合機構)及び、他のすべての実施医療機関の長及び治験責任医師にも報告をする必要が有ります。報告には期限が定められており、迅速な対応が必要です。治験審査委員会にも報告して治験を継続してよいかどうかの審査を受ける必要が有ります。
 治験中の診察内容、検査・観察項目等については、被験者のカルテ(医療原簿)の内容が正確に症例報告書(CRF)に記載されている必要が有ります。症例報告書の記載内容がカルテと齟齬がないかどうかについては、モニターが病院でカルテを借り出して両者を照合する必要が有ります。これをSDV(Source Data Verification)といいます。GCP実地調査において、カルテと症例報告書の齟齬が見つかると、モニタリングが不十分であると規制当局に指摘されます。
 そして、症例報告書の記載内容に問題がなくなった段階で、症例報告書の回収を行います。
 SDV及びCRF回収時のモニタリングに関する注意点を表17に示します。
 

 ここでは、治験協力者(CRC)との円滑なコミュニケーションが非常に大切です。ヒューマンスキルのすべてが必要となります。
 すべての被験者の症例報告書の回収が終わり、治験終了通知文書を入手するとその実施医療機関での治験は終了します。

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第12回 [ コミュニケーションスキルアップのための基礎演習 ](2010/2/23)

 これまで、臨床開発モニター業務にはヒューマンスキル、とりわけコミュニケーションスキルが必要であることを説明してきました。では、このコミュニケーションスキルをどの様にしたら磨くことが出来るかについて、解説をしていきます。
 このようなトレーニングをする際は、初めは専門のトレーナー(講師)に指導を受けることをお勧めします。正しい指導者のもとでやることが、上達の早道だと思います。

 コミュニケーションの基本は、「聴くこと」と「話すこと」であることを第7回のコラムで説明しました。では、それぞれについて、スキルアップのためのトレーニング法について紹介していきます。

12.1 話し方のスキルアップ
 (1)自己紹介
 5、6人のグループに別れ、時間を決めて自己紹介をします。時間は、1分、3分、5分と3つの場合について、それぞれ何を話すのか考えます。
聞き手は、初めて会った人か、同僚なのか、何回目の自己紹介なのか、聞き手によって何を話すかが異なります。即ち、聴衆分析が必要であるということです。一方的に自分に関する情報を流すだけでは不十分です。聞き手が聴きたいこと、自分をアピールしたいこと、聞き手の印象に残ることなどを織り込みながら、話を組み立てます。
 このトレーニングは、同じメンバーであっても、何回も繰り返し行うことをお勧めします。前回よりもアピール性の高い自己紹介にするとか、前回の続きの自己紹介をするとか、入社試験の自己紹介を想定するなど、色々な場面を想定して、自己紹介を練習することが出来ます。
 自己紹介をする時に、自分の席からスピーチをする場所まで歩いていく姿勢、歩調、歩幅、お辞儀の仕方、話をする時の姿勢、目の配り方、声の高さ、話のスピード、聞き手の理解度の観察等、メラビアンの法則(第8回参照)などを思い出しながらやって下さい。

 (2)10分間スピーチ
 自己紹介に慣れてきたら、今度は、テーマを決めて10分間のスピーチをします。テーマは、予め決めても良いし、個々人で決めても良いです。何を話したいのか、聞き手はこのテーマについてどの程度知っているか等について考え、話の全体の起承転結を組み立てます。聴衆の心/興味を引きつけるには「起」となる導入部(つかみ)が非常に大切です。十分な準備をして下さい。10分間でどの程度の内容のことが話せるか、何度もやるうちに分ってくると思います。最初の頃は、時計を見ながらやるのも良いですが、慣れてくると、大体この位が10分位だなと分ってきます。
 自分の話がどうだったか、聞き手の人に意見を聴いてください。お互いの批評がレベルの向上に繋がります。また、ボイスレコーダやビデオを用いて録音/録画を聞きながら自分で確認することも大切です。自分では意識をしていないが、「アー」とか「エー」を連発していることが有ります。また、頻繁に左手で髪をかき上げる人、腕を後ろに組んで話す人、ポケットに手を入れて話をする人、歩き回りながら話をする人、天井を見ながら話をする人、聴衆を全く見ないで話をする人等を見かけますが、いずれもスピーチとしては好ましい態度/姿勢とは言えません。腕の後ろに組んで話をするのは、「教師のポーズ」といわれて偉そうな態度ととられ、良くありません。
 話のスピードについては、「立て板に水」のように単調で早口にならない様に気をつけ、大事なところなど抑揚をつけて、間を取って話をして下さい。適切に間を取ることは極めて難しいと思います。時間を気にしながら話をしていると特に、間を取ることを忘れてしまいます。

 (3)即題によるスピーチ
 急にテーマ(題)を出して、その題について3〜5分でスピーチをする練習です。題を出されて、自分の席から話をする場所まで歩いている間に起承転結を考えて、お辞儀をして話を始めます。また、連題といって、前の人のスピーチの中に出てきた事/言葉の中から題を選んで、次の人がスピーチをする方法です。これも、短時間のうちに話の内容をまとめてスピーチをする練習になります。

12.2 聴き方のスキルアップ
 (1)話し手のスピーチを聞いてのコメント
 他の人の10分間スピーチを聴いて、話の内容を要約してこれに対する自分の感想を述べるというやり方です。話し手が何を言おうとしているのか理解していないと話の要約は出来ません。注意深く話を聴く必要が有ります。そして、10分間の話を2分程度に要約するには、頭をフルに回転させなければいけません。更に、自分の考えについても整理して1分間位で話をするのは、非常に良いトレーニングになります。

 次回は、モニタリングの予行演習、ロールプレイについて話を進めていきたいと思います。

 

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第13回 [ モニタリングの予行演習・ロールプレイ ](2010/3/16)

 前回は、コミュニケーションスキルアップのための基礎演習法について解説をしてきました。「聴くこと」と「話すこと」の基本が体得出来たでしょうか。
 今回は、臨床開発モニターの業務に沿った予行演習、ロールプレイについて説明をしていきたいと思います。

 モニタリングは、実施医療機関及び治験責任医師の選定から始まり、治験開始、実施中の有害事象の情報収集、症例報告書の回収、治験終了通知書の入手まで続きます。この間に必要となるヒューマンスキルの向上のためにどの様な演習を行ったら良いかについて解説します。

13.1 プレゼンテーション資料の作成
 実施医療機関及び治験責任医師の選定をする際に、計画している治験の概要を治験責任医師及び治験事務局に説明しなくてはなりません。そのためには、5分から10分位で説明出来るプレゼンテーション資料を作ります。これを見ながら説明をしますので、図式、箇条書き、ブロックダイアグラムなどを使って見やすい資料を作って下さい。対象疾患を熟知している医師に説明する資料とGCPに詳しい治験事務局員に説明する資料は、別のものを用意する必要がある場合が有ります。説明する場面を想定して、内容を吟味して下さい。
 トレーニングを受けている人(以下、受講生という)が、それぞれ治験実施計画書(案)をもとに説明用資料を作成して、出来上がったものについて、指導者からのコメントを貰う、または受講者相互に意見を交換することも大切だと思います。
 更に、治験の開始の際に行うスタートアップミーティング用の資料も、作ってみましょう。ここでは、20-30分位の時間をかけて詳しい説明をします。このミーティングに参加するのは、治験責任医師・治験分担医師、治験協力者(CRC)、治験薬管理者、薬剤部員、治験事務局員など治験実施医療機関で治験に係る人たちです。参加者全員が治験の内容を理解出来る様な資料を作成する必要が有ります。これもそれぞれの受講生が個々に作成して指導者からのコメントを貰う、または相互に意見を交換して下さい。

13.2 プレゼンテーションの演習
 次は、実際に13.1で作ったプレゼンテーション資料を使って、プレゼンテーションの練習をしましょう。指導者または他の受講生が、医師、CRC、治験薬管理者、治験事務局員の立場での聞き役になって、ロールプレイをして下さい。
 前回に練習した話し方のスキルアップで解説した内容に注意をして練習をして下さい。何度も繰り返すうちに、内容が頭に入って余裕が出来て、聞いている人の反応を見ながら話が出来る様になります。会場の大きさ、聞いている人の人数なども考慮して適度な声の大きさで話すことにも注意して下さい。

13.3 インタビュー・折衝のロールプレイ
 実施医療機関及び治験責任医師の選定や治験契約の際に行うインタビュー・折衝に関する演習をしましょう。指導者または他の受講生が、治験責任医師、治験事務局員の立場になって質問に答えたり、逆に質問をしたりしましょう。ここでは、特に言葉使いに気をつけて下さい。尊敬語、謙譲語、丁寧語など使い方が間違っていませんか。その点を注意して受講者相互でも確認をして下さい。また、相手の質問を理解して適切に返答しているかについて、確認をして下さい。第7回で書いたコミュニケーションの基本である「聴くこと」と「話すこと」が正しく出来ているでしょうか。
 更に、症例がなかなか登録されず、治験責任医師に症例登録の促進をお願いする場面を想定してロールプレイをして下さい。第9回で書いた、相手の立場を理解しつつ話をするアサーティブなお願いの仕方が大切です。
 その他、CRFの記載の依頼、訂正のお願い、GCP省令・プロトコールの不遵守が見られた時の治験責任医師への告知などを想定してロールプレイをやって下さい。最後の例などは極めて難しいと思います。


 以上、今回はモニタリング業務に即した演習・ロールプレイについて解説をしました。実際に何度も練習をすることにより自信がついて、聞き手の状況・理解度を意識しながらプレゼンテーション、或はインタビューが出来る様になります。

 次回は、最終回ですので全体のまとめをしたいと思います。

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第14回 最終回 [ おわりに ](2010/3/23)

 最近、「新たな治験活性化5カ年計画の中間見直しに関する検討会」の報告がまとめられました。

 これは5ヵ年計画の中間年で達成状況を評価したものですが、特に、治験の効率化等については、これまでの関係者の取り組みにより全体として着実な改善がみられたものの、我が国が治験を実施する環境として世界的な視点から一定の評価を得るためにはまだ解決すべき課題があること、及びそれらの事項について一定の評価指標を定める必要があること等の評価及び課題が示されました。

 また、研究者の育成に関して、革新的医薬品・医療機器の創出、標準治療等のエビデンスの確立等につながる治験・臨床研究をリードする研究者を育成するためには、被験者保護等の研究倫理、臨床研究の方法論等に関する教育が 重要であり、更には治験・臨床研究を通じて医療の進歩を目指すことが医師として求められる資質であるということを、卒前教育及び研修期間等を通じて身につけることが重要であることが示されました。

 更に、治験・臨床研究の実施に必要な人材の確保に関しては、5カ年計画に示されているとおり臨床研究コーディネーター(CRC)のみならず生物統計家、データマネージャー、薬事法や健康保険法等の関連法令に精通した人材の育成のみならず、医療機関内で安定して雇用される体制の整備が必要であるとしています。CRCに関しては、平成23年度までに新規のCRCを3,000人養成することが計画されていますが、平成19年度以降21年9月末までに約1,300人のCRCの研修実績が報告されています。
 このような治験を取り巻く環境の中で、依然、モニターの業務は過酷な状況にあり、一人のモニターが担当出来る医療機関数は、日本では4、5施設(3〜9)程度であり、海外の10施設程度(3〜19)に比較すると日本のモニターの効率は低いと言わざるを得ません(上記検討会資料)。そして、交通費を含むモニターの費用は治験費用の50%近くになっています(上記検討会資料)。

 これには、日本のGCP基準、医療制度、患者の治験に関する理解度等が関係していると思われます。効率的なモニタリングを行うためには、モニターとしての専門的知識を十分に習得することは勿論のこと、治験責任医師、治験担当医師、CRC、治験事務局等とのコミュニケーションを良くして、無駄な施設訪問、度重なるCRFの修正依頼などを極力少なくす� ��必要があります。

 本コラムでは、これまで13回にわたって、専門的知識に関する研修内容と、治験関係者とのヒューマンスキルを向上するための基礎的な説明を、臨床開発におけるモニタリングに即して行ってきました。また、基礎トレーニング法についても解説を行いましたので、社内で基礎研修を行い(出来れば専門の講師の指導の下)、更に、モニタリングの各段階に沿って実践の研修を行うことをお勧めします。 円滑なモニタリング業務を遂行することにより効率的で信頼性の高い治験が日本で実施され、価値のある医薬品が早く患者さんのもとに届けられることをお祈りいたしまして、このコラムを終了させていただきます。

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