睡眠時無呼吸患者では、脳内の血圧や血流が増減を繰り返すため、睡眠中に脳卒中や死亡が起こりやすいことが、新しい研究によって示された。 米エール大学医学部(コネチカット州)の今回の研究では、閉塞型睡眠時無呼吸(OSA)により、エピソード(症状発現)時に、脳への血流が減少することが判明。症状が発生すると、臓器の血圧が上昇する。これが繰り返されると、最終的に、そのような状態での脳自身の保護能力も低下してしまうという。 ...
広く利用されているフラミンガムリスクスコアに基づいて10年間の心臓発作または脳卒中のリスクが低いと判定された50歳以下の集団であっても、その半数は生涯的なリスクは高い可能性があるという。フラミンガムスコアは、マサチューセッツ州フラミンガム地区で実施された数十年にわたる研究(フラミンガム心臓研究Framingham Heart Study)に基づくもので、年齢、性別、総コレステロール、HDL(善玉)コレステロール、収縮期血圧、喫煙状況および降圧薬の使用という7つのファクター(因子)から、心臓発作や脳卒中などの心血管イベントリスクを評価するもの。 ...
歳をとることは体全体の変化を意味するが、骨や筋肉も例外ではない。これらを鍛えることにより、加齢(エイジング)による機能低下を防ぐことが重要になる。 米国整形外科学会(AAOS)は、下記のような運動を勧めている: ・ストレッチを数多く行う。ストレッチは筋肉の柔軟性を維持するために役立つ。 ・筋肉を増強するために、軽いウェイトトレーニングを行う。 ・定期的な運動は、続けることで筋肉量の維持や、体重増加の予防に役立つ。 ...
自分の食べたものを記録した経験のある人は多いと思われるが、毎日の運動記録についてはどうだろうか。 日々の運動を記録しておくことは、もっとがんばろうという意欲にもつながる。 米国家庭医学会(AAFP)は、運動日誌の記録方法について以下のように助言している: ・毎日実施した運動を、内容、続けた時間などを含め、もれなく書きとめる。 ・ランニングやウェイトトレーニングばかりではなく、カロリーを消費する雑務も記録する。清掃や掃除機かけ、犬の散歩などの作業も記録しておく。 ...
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一部の糖尿病患者には厳格な血糖コントロールが適さないが、ほとんどの患者ではこれまで長年推奨されてきた「A1C(グリコヘモグロビン)値(2~3カ月の平均血糖値)が7%未満」という血糖目標値を遵守する方がよいとのコンセンサス(合意)が、米国糖尿病協会(ADA)、米国心臓学会(ACC)および米国心臓協会(AHA)の共同声明の形で発表された。今回の勧告は、最近発表された3件の臨床試験(ACCORD、ADVANCE、VADT)の結果を受けて改訂されたもの。 ...
少量の一酸化炭素(CO)が、脳卒中による脳損傷の防止に有用であることが、米ジョンズ・ホプキンス大学(ボルティモア)の研究グループにより報告された。COは臓器障害を引き起こし、死をもたらすこともある無色、無臭の気体で、暖房装置、車、ガスレンジなどの燃焼煙に含まれている。通気性の悪い密閉された場所では、COが充満して深刻な危機をもたらすこともある。 今回の研究では、脳の片側の動脈を短時間遮断して脳卒中を発症させたマウスに低用量の一酸化炭素を吸入させると、脳損傷が最大62.2%減少することが明らかにされた。研究グループは、COが神経細胞を損傷から保護する可能性があるとの考えを示している。「COは体内で自然に作られており、さまざまな条件下で保護的な機能を果たしている。体外からのCOに同様の効果があるかどうかを確認するために、今回の実験を実施した」と、研究を行った同大学麻酔学・クリティカルケア医学部門准教授のSylvain ...
禁煙のためにニコチンパッチを用いる場合、正しい使用方法を知ることが重要である。 米国家庭医学会(AAFP)は、ニコチンパッチの使い方について以下のように助言している: ・使用する直前まで包装を開封しない。準備ができたら封を開け、パッチの剥離(はくり)紙をはがす。粘着面には触れないようにする。 ・上半身のパッチを貼る部位を清潔にし、乾燥させる。体毛の多い場所や、火傷、痛み、切り傷のある部分を避ける。 ...
大家族で暮らす女性(主婦)では心疾患リスクが高まる可能性があることが、大阪大学予防環境医学教授の磯博康氏らによって明らかにされた。子どもや祖父母など複数世代が同居する日本人女性では、配偶者のみと暮らす女性に比べて重篤な心疾患と診断される確率が2~3倍高かったという。 医学誌「Heart(心臓)」オンライン版に12月15日掲載された今回の知見(筆頭著者は米ハーバード大学公衆衛生学部・池田愛氏)は、JPHC ...
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成人早期における心拍数上昇は、何十年か後の心血管障害のリスク増大を示す危険信号であることが、日本の農村地域の住民を対象とした研究で示唆された。 医学誌「American Journal of Hypertension(高血圧)」オンライン版に12月11日掲載された今回の研究は、久留米大学医学部心臓・血管内科疫学班の重藤由行氏らが、日本の南西部の農村地域に住む614人を対象に追跡調査したもの。研究の結果、1979年の初回検査時の心拍数が80回/分以上であることが、心臓障害の一因である肥満や糖尿病の発症につながることが判明した。 ...
心疾患や糖尿病、喘息などの慢性疾患を持つ患者は、常に痛みや疲労を感じており、健全な性生活を送ることが困難になっている。 米国家庭医学会(AAFP)は、慢性疾患患者がセックスを楽しむためにできることとして、下記のような方法を紹介している: ・1日のうちで最も健康、かつ元気に感じる時間を見つけ、それに合わせて行うよう計画する。 ・十分休息を取り、できる限りリラックするように努める。 ・食後2時間はセックスを行わない。 ...
糖には依存性があるという、長年疑われてきた説が科学的に立証され、スコッツデール(アリゾナ州)で開催された米国神経精神薬理学会(ACNP)年次集会で発表された。研究を率いた米プリンストン大学(ニュージャージー州)心理学教授のBart Hoebel氏によると、糖の大量摂取が脳内で依存性薬物に極めてよく似た作用をもたらすことが動物モデルにより示され、「糖依存症(sugar addiction)」が後にアルコールなどの薬物依存症の「入り口」となることさえあるという。 ...
栄養素不透過性のスリーブ(管)を用いて小腸上部の内壁を覆う手技は、侵襲的な胃バイパス手術と同程度に減量や糖尿病予防に有効である可能性が、新しい研究によって示された。ラットを用いてこの手技を検討した結果、食欲低下、体重減少がみられ、血糖値が正常に戻ったという。 医学誌「Obesity(肥満)」12月号に掲載された(オンライン版は10月30日掲載)今回の研究で、米マサチューセッツ総合病院(ボストン)体重センター所長のLee ...
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米国神経学会(AAN)が作成した新しいガイドライン(指針)によれば、ニューロパシー(neuropathy)と呼ばれる一般的な神経障害の原因を見つけるには、血液検査とそれ以外の特殊な評価との組み合わせが最も有効であるという。 ニューロパシーは、一般人口集団では50人に1人、55歳以上では12人に1人に認められ、通常、足から始まって手に移動することの多いしびれ感や刺痛、疼痛を引き起こす。筋力低下や筋萎縮がみられることもある。糖尿病が原因であることが最も多いが、遺伝やアルコール乱用、栄養不良、自己免疫疾患が原因の場合もある。 ...
バーチャル(仮想)大腸内視鏡検査(CT大腸検査とも呼ばれる)は大腸内の前癌(がん)ポリープ検出に使われることが多いが、この検査画像を用いて骨密度を測定し、骨粗鬆(しょう)症も検出できることが、米シカゴで開かれた北米放射線学会(RSNA)年次集会で報告された。 バーチャル大腸内視鏡検査では、腹部CTスキャンにより腹部と脊椎の横断像を作成。次に、コンピュータ・ソフトウエアを用いてこれら画像を配列し、従来の結腸(大腸)内視鏡で見るような結腸内部の画像または"フライスルー(fly-through)"像を作成する。米カリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)放射線医学臨床助教授のRizwan ...
横柄な上司のもとでは心臓に負荷のかかる可能性があることが、スウェーデンの研究で示された。従業員の狭心症や心臓発作、死亡リスクは、上司が無能であるとの報告に伴った形で上昇するという。 スウェーデン、カロリンスカKarolinska研究所(ストックホルム)公衆衛生学のAnna Nyberg氏は、職業、脂質、フィブリノーゲンに関するストックホルム研究(Work, Lipids, and Fibrinogen ...
高血圧は心疾患の危険因子(リスクファクター)となる。心臓の健康を守るためには、血圧をしっかりコントロールすることが重要である。 降圧薬の治療効果は認められるものの、米国家庭医学会(AAFP)は、血圧を降下させる追加的手段として、下記のようなものを勧めている: ・たばこ製品の使用をやめる。 ・食事で多くの果物や野菜を摂取するよう心がける。 ・アルコールやカフェインの摂取を軽減する。 ・低脂肪、低ナトリウム(塩分)食を堅持する。 ...
治療抵抗性(難治性)高血圧患者の心血管障害リスクを予測するには、診察室(外来)で測定した血圧値よりも、24時間自由行動下血圧測定(ABPM)による血圧値、特に夜間血圧値が優れていることが明らかにされた。ブラジル、リオデジャネイロ連邦大学の医師らは、米医学誌「Archives of Internal Medicine(内科学)」11月24日号に掲載の報告で、「昼間(日中)よりも夜間の血圧が心血管の強い危険因子(リスクファクター)となるため、昼間と夜間の血圧を別々に分析するべきである」と述べている。 ...
心電図(ECG)は心臓の電気的活動を測定する標準的検査であるが、胸痛で診察を受ける人にとって、将来的に冠動脈障害が生じるかどうかの予測にはほとんど役立たないことが、英国の研究によって示唆された。 研究著者である、英ロンドン胸部病院London Chest Hospital臨床心臓病学教授のAdam Timmis博士は「(研究の動機を)胸痛は心臓障害を疑って受診する最も一般的な理由であり、ECGはそのような患者に対して行われる一般的な検査。独立した予測因子(stand-alone ...
過体重(overweight)の人は、身体の中央に脂肪がつくリンゴ型の体型であれ、ヒップや大腿部に脂肪がつく洋ナシ型の体型であれ、正常体重の人に比べて死亡リスクが高いことが、欧州の新しい研究によって明らかにされた。ただし、リンゴ型の人は、ナシ型の人に比べて、死亡リスクが高いという。 以前の研究では、腹部脂肪と慢性疾患リスクの高さとの関連が示されているが、過体重の人や腹部脂肪の多い過体重の人の死亡リスクは評価されていない。今回の研究は、ドイツヒト栄養研究所(GIHN)のTobias ...
高齢の高血圧症患者では一晩の睡眠時間が7.5時間を切ると、心疾患のリスクが高まることが、自治医科大学(栃木県)循環器内科の江口和男博士らによって明らかにされ、医学誌「Archives of Internal Medicine(内科学)」11月10日号で報告された。 同氏らは、平均70.4歳の1,225人の睡眠時間を調べ、健康状態について約50カ月の追跡調査を実施した。調査期間中、脳卒中や心臓発作、突然心臓死などの心血管疾患イベントが99例発生した。睡眠時間が7.5時間未満の人の心血管疾患の発症率は2.4/100人-年、7.5時間以上の人は1.8/100人-年であった。 ...
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